テナントの賃料相場っていくら?賃料の決め方と内装工事費を抑える方法
土地や物件を所有している一方で、活用方法を決めかねているという方もいるでしょう。
そんな時は、手軽に始められて高い収益性が見込める「テナント経営」を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、テナントの賃料相場や賃料の決め方、内装工事の費用などについて詳しく解説します。
すでにテナント経営を考えている方も、これから物件を探すという方も、ぜひ参考になさってくださいね。
目次
テナントを賃貸する場合の相場はどのくらい?
テナント賃料の相場は、エリアや物件の広さなど条件によって大きく幅があります。
また、契約時に賃料の交渉をするケースも多いため、一概にいくら位と提示するのは難しいものです。
基本的には人口が多く交通の便がいい都心部は賃料が高く、郊外や地方など都心から離れるほど賃料が安くなると考えておくといいでしょう。
以下に、テナントを賃貸する際の費用相場についてまとめました。
【全国主要都市のテナント賃料相場(円/坪 1ヶ月あたり)】
エリア | 20~50坪未満 | ~100坪未満 | ~200坪未満 | 200坪以上 |
【東京】丸の内・大手町エリア | 25,600円 | 17,983円 | 35,000円 | 41,976円 |
【大阪】梅田・堂島・中之島エリア | 12,888円 | 12,654円 | 15,640円 | 21,281円 |
【札幌】南口エリア | 12,769円 | 11,544円 | 14,150円 | 15,972円 |
【福岡】天神エリア | 10,630円 | 11,917円 | 14,010円 | 17,652円 |
テナント賃料は、家賃のように総額ではなく坪単価で表されるのが一般的です。
例えば「1万円/坪・30坪のテナント」と「2万円/坪・15坪のテナント」では、どちらも毎月の賃料は30万円ですが、前者に比べると後者の方がエリアや立地などが好条件であることが予想できます。
テナント賃料を考える際は、値段だけでなくさまざまな条件が加味されることを知っておきましょう。
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テナントの賃料の決め方
テナントは賃料が高すぎると借り手が見つからず、安すぎると経営効率が下がってしまうため、適正な価格に設定しなければなりません。
こちらでは、賃料の決め方について具体的にご紹介します。
収益分析法を用いる
物件の賃料を算出する方法はいくつかありますが、テナント賃料に関しては「収益分析法」を用いるのが一般的です。
収益分析法では、その物件を利用して事業を行うことで生み出される収益から、賃料を割り出します。
まずは対象となるテナントの「収益準賃料」を算出しますが、これはそのテナントで事業を行った場合に「これくらいの収益が得られるであろう」という予測に基づいた純収入のことです。
収益純賃料を求めたら、そこにテナントを賃貸借するにあたって発生する税金や減価償却費、維持管理費などいわゆる「必要諸経費」の金額を足して最終的な賃料を決定します。
あくまでも予測を基準に賃料を設定するため、妥当であるかどうか判断するのは簡単ではありません。
ただし、高すぎる賃料を後から下げるのは問題ありませんが、一旦決めた賃料を正当な理由なしに値上げすることはできないため、慎重に検討して決定することが重要です。
居抜き物件の場合は付属設備の価値も考慮される
入居時にすでに設備や家具などを備えている居抜き物件の場合は、それらの価値、設備や家具の引き継ぎにかかった費用などを含めた賃料設定を行います。
また、一般的なマンションや賃貸オフィスに比べて全体的に供給量が少ないこと、ちょっとした間取りの違いが集客率に影響することなどから、テナントの状態や周辺環境などによっても相場が変動することを理解しておきましょう。
内装工事の費用の目安
先にご紹介したテナント賃料と同じように、内装工事の費用も坪単価から計算するのが一般的です。
内装工事にかかる費用は業種や内容によって異なり、またテナントがスケルトンか居抜きかによっても大きく差が出ます。
それぞれの目安について、以下にまとめました。
【業種別内装工事の坪単価平均額】
業種 | 坪単価平均額 | |
スケルトンテナント | 居抜きテナント | |
飲食店 | 30〜70万円 | 30〜60万円 |
美容系サロン | 20〜50万円 | 15〜30万円 |
アパレル | 30〜60万円 | 20〜30万円 |
あくまでも平均なので、コンパクトなテナントであればさらに安く、反対に本格的なレストランを構築したい場合などには1,000万円を超えることも珍しくありません。
とはいえ、予算が決まらなければ内装工事を始めることができないため、お店をスムーズにオープンさせるためにも、まずはテナントやお店の規模からある程度予算を決めた上で、施工業者に相談しましょう。
内装工事費を抑える方法
内装工事は最低でも数百万円かかるものですが、工夫次第で費用を抑えることができます。
どうすれば内装工事費をできるだけ安くできるのか、具体的に見ていきましょう。
居抜き物件を探す
最も簡単に、しかも大幅に内装工事費を抑えられる方法が、居抜き物件を探すことです。
例えば飲食店の場合、通常は壁紙から厨房機器まで全て用意しなければなりませんが、居抜き物件であれば前入居者が使っていた内装をそのまま引き継ぐことができます。
また、中には家具や空調機器などが残されているケースもあり、さらに費用を削減できます。
ただし、退去時に原状回復が必要であるかどうかについては、あらかじめ確認しておきましょう。
相見積もりをとって安い業者を探す
複数の業者に見積もりを依頼し、その中から安く請け負ってくれる業者を見つけるのも1つです。
相見積もりを取ることで、ただ安い業者を見つけるだけでなく、相場や何にどれだけ費用がかかるのかといった内訳も分かってくるでしょう。
ただし、ビルのオーナーが取引業者を指定しているケースもあるので、事前に確認が必要です。
工事の一部をDIYでまかなう
DIYの経験がある方は、内装の一部を自分で用意することで費用を抑えることができます。
最も多いのが壁や天井の塗り替え、テーブルセットの製作などです。
ただし、手を出したものの失敗し、余計に手間とコストがかかったというケースも珍しくないため、無理のない範囲で行いましょう。
また、ガスや電気など専門知識が必要となる分野については、気軽に手を出すと非常に危険です。
大きな事故につながるリスクもあるため、必ずプロに依頼しましょう。
テナント賃料は相場を見極めることが大切
テナントの賃料相場や賃料の決め方、内装工事にかかる費用などについてご紹介しました。
テナントの賃料は、単純に収益率だけではなく、場所や条件によって決定しますが、高すぎれば借り手が見つからない、安すぎれば経営効率が下がるといった課題があるため見極めが重要です。
いつまでも借り手が付かないと使わないまま物件が古くなってしまうため、なるべく早く見つけるためにも、内装を工夫してみるというのも1つと言えるでしょう。