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公開日 2023.11.27 更新日 2024.01.15

オフィス移転で発生する手続きとは?注意点とあわせて解説

オフィス移転には、従業員の増減に伴う広さの変更やより利便性の高い地域への移転など、様々な要因があります。
一口でオフィス移転というと簡単なように思えますが、個人の引っ越しとは異なり、会社の引っ越しには発生する手続きや必要な届出などがあるので注意が必要です。
本記事ではそんなオフィス移転に伴い、行わなければならない手続きやオフィス移転の流れについて詳しく解説します。
届出が必要な機関などについてもあわせて紹介するので、これからオフィス移転をする予定の方やどこから手を付けてよいのか分からない方はぜひ参考にしてみてください。

オフィス移転の流れ

まずオフィス移転をするとなると移転当日から遡って、すべきことがいくつかあります。
今回は「6か月前」「4~5か月前」「2~3か月前」「1か月前」の4つに分けて見ていきましょう。

6か月前

まずオフィス移転から遡って6ヶ月前にすべきことは「現オフィスの解約」です。
オフィスを移転するとなってすぐに、今のオフィスを解約できるというわけではありません。
現オフィスの管理会社などに連絡をし、退去する・移転する6ヶ月前までに伝えておきます。管理会社によっては6ヶ月よりも前に解約通知を出さなければならないところもあるので、あらかじめ確認しておくことが大切です。
またどのようなスケジュール感で動いていくのかの移転計画も、この時点で立てておくとスムーズに移転ができるでしょう。
同時に次のオフィスはどのような立地で、どのような広さで借りるのかなど、新オフィスの物件の選定もしておきます。

4~5か月前

オフィスの解約通知を出すことができたら、移転の4~5ヶ月前に新オフィスのレイアウトやデザインを検討します。
旧オフィスでいらなかったものや反対に必要なものなどをピックアップし、洗い出しておくと後々スムーズです。
移転日に近くなればなるほど手続きなどの事務作業が増えるので、このときに新オフィスのための業者の手続きなどは済ませておくと安心です。

2~3か月前

オフィス移転から2~3か月前には、取引をしている会社への移転通知や社内に向けた説明会などを実施します。
直前に伝えてしまうと混乱を招いたり、新オフィスの立地によっては引っ越しを検討する従業員もいるでしょうから、2~3か月前には伝えておきます。
得意先にも前もって伝えておくのがビジネスマナーです。対面でなくてもよいので、メールできちんと伝えましょう。
その他、取引銀行など会社をする上でつながりのある機関へ連絡するのがこの時期です。

1か月前

オフィス移転から1か月前には、会社のホームページなどの住所を変更しておくことや実際に移転に向けた荷造りを開始するのが一般的です。
荷造りは早くやるにこしたことはないものの、1か月以上前にはじめてしまうと、業務に支障が出る可能性があることから、1か月前くらいからはじめるのがベストといわれています。
今回ご紹介した期間別でやることはあくまでもおおまかな流れですから、会社の移転におけるリソースや工程別に取り掛かれる人数などを見越して決めていくとよいでしょう。

オフィス移転にともない発生する手続き

ここからは、オフィス移転するとなると必ずしなくてはならない手続きについてご紹介します。
一つずつ見ていきましょう。

オフィスの解約

前述しましたが、オフィス移転が決定したら、旧オフィスを解約しなければなりません。
オフィスのオーナーや管理会社に連絡をし、解約の手続きを行います。基本的に解約通知を出すのは移転から6か月前とされています。
契約当時の内容や管理会社独自のルールなどによって、この6か月に違いがある場合もあるので、事前に確認しておくと安心です。
解約通知と同時に、旧オフィスを出る際の原状回復の範囲や業者の指定等はあるのかなど、こちらも前もって確認しておきましょう。

新しいオフィスの賃貸契約

新しいオフィスとの賃貸契約も手続きの一つです。
新たなオフィスと契約するときは、不動産会社から説明(重要事項説明書)を受けるのが義務とされています。
かつては対面で行っていましたが、最近ではオンラインで行うこともできるので、忙しい方はZOOMなどを用いて行ってもよいでしょう。そのときには物件や契約についての質問をまとめておきます。

わからないままや曖昧なまま契約を進めてしまうと、後々トラブルになりかねないので、ここはしっかりおさえておく必要があります。

ガスや電気、インターネット・電話回線の手続き

新しいオフィスの賃貸契約が済んだら、ガスや電気、水道、インターネット・電話回線などライフライン周りの手続きの切り替えを行います。
旧オフィスで使っていたライフラインの解約手続きについてもこのとき同時に確認しておきます。
基本的にガスは開通に立ち会いが必要です。オフィス移転後によりスムーズに業務に取り掛かるためには、引っ越し日や移転日、退去日などを把握しておかなければなりません。
大規模なインターネット工事の場合、最長でも1ヶ月程度かかるケースもあるので、前もって取り組むべき項目といえるでしょう。

 

関連記事:オフィス移転の際のサーバー・ネットワーク周りの準備事項を解説

銀行口座やクレジットカードの踏力情報 の変更

オフィス移転時に必要な手続きでとても大切なのが、銀行口座やクレジットカードの登録情報の変更です。
銀行口座の変更は、専用の銀行サイトからでもできますし、窓口に行けば簡単に行えます。
手続きの際に必要なものは、通帳や届出印、社印などで複数あるので、前もって聞いておくと取りこぼしがなく安心です。
クレジットカードの登録情報の変更は、クレジット会社に連絡をし、変更してもらいます。
銀行口座変更に比べるとより多くの時間がかかるので、注意が必要です。また銀行口座変更同様、様々な書類が必要なのも覚えておきましょう。

取引先への連絡

手続きとはいえないかもしれませんが、慎重に行いたいのが取引先や得意先への連絡です。
オンラインでやり取りのみしている取引先などには、あまり関係ないかもしれませんが、オフィス移転時にはお知らせしておくのが、ビジネスマナーです。
知らない間に移転しており、その事実を知らなかった・旧オフィスに足を運んだがなくなっていた、なんてことが起きたら会社の信頼を失いかねません。
最悪の場合、取引をなくされることを念頭に置くべきです。
取引先へのオフィス移転の連絡は、対面で行う必要はなく、はがきやメールでもよいでしょう。文章に誤字脱字がないか、失礼な言い回しになっていないかなどは入念にチェックして送ることを徹底します。

保険の手続き

オフィス移転をするときは、各種保険の手続きをしましょう。

  • 社会保険
  • 雇用保険
  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 労働保険

上記すべてで手続きが必要です。保険の種類によって必要な書類も異なるので、あらかじめ確認しておきます。

原状回復工事の依頼

現在いる旧オフィスは、入居時のような状態に戻さなければなりません。
そのため原状回復工事を依頼するための手続きが必要です。原状回復工事はしなければならないと法律で決められているため、絶対に行う手続きの一つです。
原状回復工事も依頼してすぐにしてもらうことはできず、広さによって期間は異なりますが短くて1週間、長くて1ヶ月かかることもあります。費用は坪単価数万円程度です。
契約内容によってどこからどこまで原状回復をしないといけないのかは違うので、義務範囲について確認したうえで取り掛かるのがベストです。

引っ越しの依頼

オフィス移転のスケジュールが決まったら、引っ越し業者に依頼します。
かなり小規模の会社であれば自力で引越し作業できるかもしれませんが、中規模~大規模な会社は専門の業者に依頼した方がスムーズですし、安心です。
一口に業者と言えど、運搬だけを行う業者もあれば、機器の設置まで引き受ける業者もあったり、形態は様々です。
そのため自分たちでどこまでできるのか、どこまでサポートしてもらうのかは前もって決めたうえで業者選定をするとよいでしょう。
引っ越し業者も依頼する時期や運搬する量、新オフィスとの距離によっても値段が変わってくるので、予算についても検討したうえでチェックしてみてくださいね。

届出が必要な機関

ここからは届出が必要な機関についてご紹介します。下記の機関が何の手続きに必要なのかを見ていきましょう。

労働基準監督署

労働基準監督署とは、管轄する会社が労働関係法に則って運用しているかを監督・調査する機関です。
労働基準法・安全衛生法について提出します。郵送では行えないものの、電子申請は可能です。

法務局

オフィス移転時には、法務局に「本店・支店移転登記申請書」を提出しなくてはなりません。本店か支店かによって提出すべき期間が異なります。
また手続きをする際にかかる費用も、本店か支店かによって違います。
手続きはオフィス移転前の管轄法務局で可能です。

税務署

税務署では税金周りの手続きを行います。オフィス移転時には、法人税に関する異動届出書を届け出ます。
この書類は移転前、移転後のどちらの法務局にも提出しなければなりません。
また窓口において必要な書類も、法人登記簿謄本や定款の写しなどをはじめいくつかあります。忙しく窓口に足を運べない場合は、e-taxや郵送でも受け付けているので、そちらにしましょう。
明確な提出期限はないものの、オフィス移転後はできるだけ早く済ませておくと安心です。

都道府県の税事務所

都道府県の税務署には、「事業開始等申告書」の提出をしなくてはなりません。
事業開始等申告書の提出期間は、税事務所によって異なるので前もって確認しておきましょう。

郵便局

オフィス移転後に大事な書類が旧オフィスに届くのを防ぐために、郵便局での手続きも必要です。
オンラインで簡単に手続きができますが、手続きが完了し、郵送物が旧オフィスから新オフィスへ転送できるまでおよそ1週間かかってしまいます。
そのため、移転1週間前くらいまでに手続きを完了しておくとよいでしょう。

消防局

オフィス移転後は、管轄の消防署にて「防火対象物使用開始届出書」「防火対象物工事等計画届出書」の2種類の提出が必要です。
もし新オフィスの内装を専門業者に依頼する場合、業者が代わりに手続きしてくれるケースもあります。あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

警察署

もし社用車がある場合は、オフィス移転後、自動車保管場所証明申請書を提出しなければなりません。
車を駐車している管轄の警察署の窓口で手続き可能で、書類は警察庁のホームページからダウンロードできます。

年金事務所

年金事務所では、厚生年金保険や健康保険の手続きを行います。
「適用事業所所在地・名称変更届」をオフィス移転後5日以内に、管轄の年金事務所に届け出ます。

ハローワーク

オフィス移転時には、ハローワークに「雇用保険事業主事業所各種変更届」を提出します。
移転後10日以内に提出し、直接窓口に行くか、電子申請が可能です。郵送は取り扱っていないので注意が必要です。

オフィス移転の際に注意するべきポイント

最後にオフィス移転の際に注意すべきポイントについて解説します。

解約予告は撤回できない

旧オフィスに対して行った解約予告は、一度行うと基本的に撤回できません。
もし新オフィスの審査に落ちたり、契約しなかったりしても、旧オフィスを使い続けることはできないので解約予告は慎重に行いましょう。

入居審査が必ず通るとは限らない

オフィスを契約する際には、一般的に個人が引っ越しするときと同様、必ず入居審査というものがあります。
希望のオフィスを決めたとしても審査に落ちてしまうこともあるのです。審査にはある程度基準があるので、仲介業者に審査における傾向・対策など、情報収集しておくとよいでしょう。

書類や業者の整理を事前に行う

オフィス移転をする際には、あらかじめ書類や業者の整理をしておくとスムーズに行うことができます。

書類をはじめとした物理的に場所を取る「物」を減らしておけば、スペースの有効活用や情報の整理がしやすくなるのです。

またオフィスを移転することにおいて必要不可欠な専門の業者ですが、こちらについてもあらかじめ対応範囲や依頼内容を把握・整理しておけば、自分たちが事前にやるべきこと・しなくていいことが明確になりおすすめです。

計画的にスケジュールを組む

これまでご紹介したようにオフィス移転時には、様々な手続きが必要です。
書類に不備があると手続きに遅れが出てしまうので、余裕を持った計画的なスケジュールを組むようにしましょう。

 

関連記事:オフィス移転のスケジュールはどう組めばいい?

本店移転登記には手間がかかる

会社の登記簿に記載される本店移転登記には、とても大きな手間と長い時間がかかります。

自信がない場合は有識者に依頼した方がよいですし、自力で行う場合は見落とし・ミスがないか入念にチェックしてください。

オフィス移転で利用できる補助金・優遇措置

ここからはオフィスを移転させることによって利用できる補助金や優遇措置について解説します。

ものづくり補助金

中小企業を対象に「ものづくり補助金」と呼ばれる補助金が出ることがあります。
オフィスを移転させることによって、生産性や効率の向上が見込まれる場合に出るものです。自社が該当するのか、前もって確認しておくとよいでしょう。

地方拠点強化税制

地方拠点強化税制とは、本社の一部やすべてを地方に拠点を置くことで、税の優遇を得られるという、内閣府が行っている制度です。
対象となる企業は東京23区外から地方に移転する企業など、ある程度の制限はあるものの、条件さえ当てはまれば、法人税が控除されるケースもあるので、要チェックです。

オフィス移転の手続きは前もって取り組もう

今回はオフィス移転に伴い、発生する手続きについてご紹介しました。
移転時には、様々な届出先に様々な書類を提出しなければならないため、あらかじめリスト化して順を追って行うとよいでしょう。

 

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