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公開日 2023.08.24 更新日 2024.01.16

シェアオフィスとは?他のオフィススタイルとの違いやメリット・デメリットを解説

時間や場所を問わず、自由に働けるオフィススタイルが浸透している中、移転先や新規事業立ち上げの本拠地に「シェアオフィス」を選ぶ企業が増えています。シェアハウスは、複数の企業や個人とオフィスをシェアすることで効率的に空間を利用できる新しいオフィスの形です。

 

一方で、「情報漏洩のリスクが気になる」「コスト面が不透明で、よくわからない」など、シェアオフィスに対して不安を抱いている方も多いでしょう。

 

今回の記事では、シェアオフィスを検討しているという方に向けて、シェアオフィスの概要とメリット・デメリット、さらには選ぶ際のポイントをご紹介します。
ぜひオフィス選びの参考にご覧ください。

シェアオフィスとは

シェアオフィスとは、ひとつのオフィスを複数の企業が共有して使用する新しいオフィススタイルです。入居している企業や個人事業主が、オフィスの空間や設備に対して料金を負担し合いあって利用するため、費用を大きく抑えられるメリットがあります。

 

充実したオフィス設備や広さを低予算で利用できることから、小規模の企業やフリーランスの方に人気が高い傾向にあります。

 

元々は、英語の「shared office(シェアードオフィス)」を意味して、日本語に訳すと共有する事務所です。シェアオフィスは、リモートワークが普及し、働く場所を自由に選べる今の時代に適した新しいオフィススタイルの一つなのです。

 

主に共有できる設備やサービスをまとめました。

【共有設備・サービス】

  • 電話・インターネット回線
  • オフィス家具
  • 印刷機・シュレッダー

共有できるサービスは、オフィスが提供する内容によって異なります。
他にも受付スペースや会議室、応接室や休憩室などのサービスを提供しているオフィスもあるため、設備やサービス内容を契約前に確認し、比較検討することをおすすめします

シェアオフィスに似ている形態のオフィス

シェアオフィスは、自由で新しい職場環境として人気の高いオフィス。しかし、近年リモートワークの普及が影響し、さまざまな形態のオフィスが誕生しました。

 

ここからは、シェアオフィスと似ている形態のオフィス「コワーキングスペース」「レンタルオフィス」「サテライトオフィス」「バーチャルオフィス」の4つについてご紹介します。

コワーキングスペース

コワーキングスペースとは、複数の企業や個人が一つのオフィスをシェアして利用するオフィス形態です。

 

空間や設備環境を共有するという意味ではシェアオフィスと同じですが、異なる点として、コワーキングスペースは自社専有スペースがなく、全てが共有スペースであるということ。
いわゆるフリーアドレス(=固定席を設けず、自由な席で業務を行う働き方)のオフィス形態を採用しています。

 

他の企業やフリーランス同士のコミュニケーションを図りながら働けるメリットがある一方で、セキュリティ面でのリスクや集中して仕事ができないというデメリットが挙げられます。

レンタルオフィス

レンタルオフィスとは、オフィス環境の整った賃貸オフィスです。

 

一般的なテナントオフィスは、入居後に内装工事や改装、家具の搬送などの手続きが必要ですが、レンタルオフィスはすでに必要な設備やオフィス家具が揃っているため、入居までに時間がかからないメリットがあります。
また、初期費用やランニングコストを抑えられるため、低コストでオフィスを借りたいという方に向いています。

 

シェアオフィスとの違いとして、レンタルオフィスには個室が設けられていることから、商品在庫や社内の備品を保管しやすいです。
しかし、他の企業との区切りがパーテーションなど簡易的なものであることも多く、プライバシー配慮に欠けていると感じる方も多く、事前に部屋の様子を確認しておくとベターです。

 

関連記事:賃貸オフィスとレンタルオフィスの違い!メリットやデメリットを理解しよう

サテライトオフィス

サテライトオフィスとは、企業の本社から離れた場所に設置されたオフィスのことです。本社(=本拠地)を中心として衛星のように配置されていることから、衛星を意味する「satelite(サテライト)」と呼ばれています。

 

サテライトオフィスの導入は、企業の都心部への集中を打開するための総務省が推進する地方活性化の一つと言われています。
都心部に偏らず全国的にオフィスを展開することで、好きな場所で仕事ができる多様な働き方を推奨しているのです。

 

シェアオフィスとの違いは、オフィスが本拠地であるかどうかという点です。一般的にシェアオフィスは本社として利用されることが多いですが、サテライトオフィスは低予算で地方にオフィスを構えるという狙いがあります。

バーチャルオフィス

最後に、バーチャルオフィスとは、その名の通り物理的な実体を持たないオフィスのことです。つまり、働くスペースではなく住所のみを貸し出しているサービスを指します。

 

そのため、シェアオフィスのようなオフィスとしての空間スペースはありません。仕事を行う場合は別で用意しなければいけないため、注意が必要です。

 

ただし、郵便物の受け取りや転送といったサービスを受けられるオフィスもあり、利用価値は高いでしょう。法人登記や銀行口座登録の際の住所登録にも利用できるので、自宅や別の場所で働きながら企業の本拠地は別にしたいという方におすすめです。

シェアオフィスのメリット

シェアオフィスを利用するメリットを3つご紹介します。実際の利用者目線で感じるメリットを一つずつ確認していきましょう。

メリット①初期費用や月額費用が抑えられる

シェアオフィスを利用するメリットの一つ目は、初期費用や月額費用を格段に抑えられることです。

 

オフィス契約を検討する際、予算内でオフィスを借りられるのかという不安を抱える方は少なくありません。シェアオフィスは、一般的な賃貸オフィスと比べて、初期費用や月々の賃料、オフィス設備費用を大幅に抑えられます。
例えば、賃料の3カ月以上とされる敷金(保証金)・礼金も、数万円〜数十万円程度で契約できる場合が多いです。
また、家具やプリンター機などのオフィス設備も共有できるため、搬入費用などの入居時に発生するコストを心配する必要もありません。

 

シェアオフィス内で利用可能な設備やサービスを有効的に活用し、予算をなるべく抑えましょう。

 

関連記事:賃貸オフィス契約時の初期費用とは?内容・目安料金・抑え方のポイントを紹介

メリット②オフィスの拡大や縮小が容易にできる

二つ目のメリットに、オフィスの拡大や縮小を容易にできることが挙げられます。

 

一般的な賃貸オフィスの場合、年単位で賃貸契約を結ぶケースが多く、退去に伴う修繕工事などに時間や費用がかかってしまうことが考えられます。しかし、シェアオフィスなら好きなタイミングで退去をしても契約上問題はありません。

 

シェアオフィスは1カ月単位で契約更新するケースが多く、自由に入退去を選べることが大きなメリットといえるでしょう。
オフィスの事業拡大や規模を縮小するための移転などオフィスの見直しを図るタイミングに、シェアオフィスのメリットは活かされます。

メリット③法人登記が可能なところもある

メリット三つ目は、法人登記が可能なシェアオフィスがあることです。

 

法人登記とは、会社を設立するために会社名や所在地などを法務省へ登録して一般開示できるようにすること。法人登記は起業する際に最初に行うべき必要な手続きであり、登記を怠ると罰則を受けたり、顧客から信頼を失ったりする危険性があります。

 

シェアオフィスなら、低予算で東京や大阪などの大都市の住所を登記できるため、企業のブランド力を高めるアピールにもなります。
ただし、シェアオフィスは同じ住所の建物に複数の企業が存在しています。オフィスによっては登記出来ない可能性もあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。

シェアオフィスのデメリット

ここからはシェアオフィスのデメリットを4つご紹介します。実際に利用している方の声からは、一つの空間を他人と共有するからこその不便性を感じるというものが多い印象でした。

 

シェアオフィスのデメリットを一つずつ解説していきます。

デメリット①情報漏洩に課題がある

シェアオフィスは、自社の社員以外も使用する共有スペースの範囲が広く、社外秘の情報や顧客情報を管理する上でのリスクが伴います。
特に機密情報を取り扱う職種の場合、オフィスにセキュリティ面での課題があれば不安に感じてしまうでしょう。

 

オフィスによっては区画を分けて専有スペースを確保できますが、多くはパーテーションなどの簡易的な区切りで仕分けられています。デスク上の書類やPCを他社の人間が簡単に見ることができるため、セキュリティ面に不安を感じる場合は、シェアオフィスをおすすめできません。

デメリット②環境によって話し声や雑音が気になる

シェアオフィスは他の企業や個人事業主とコミュニケーションを取りやすく情報交換しやすいメリットがある一方で、周りの話し声や雑音をうるさいと感じてしまうデメリットも。

 

静かな環境の中で集中したいという場合は、個室が確保されたオフィスがおすすめです。しかし、ある程度の雑音がある方が業務がはかどるという場合、シェアオフィスは最適な場といえるでしょう。
カフェなどでも落ち着いて仕事ができるという方におすすめです。

デメリット③規模によっては満席になる可能性がある

オフィスの中には、満席時に利用制限がかかってしまうこともあります。
特に規模の小さいオフィスに多く、社員の働く場所がなく困ってしまうという状態に陥ってしまう可能性も。

 

満席の際はどうすればいいのかなど、契約前に不動産会社に確認しておくとよいでしょう。シェアオフィスは契約前に内見可能である場合が多いので、混雑しやすそうな時間帯に内見予約をして様子を伺ってみるのもおすすめです。

デメリット④共有設備を利用する際は空き状況に左右される

複数の企業と共有設備をシェアするため、利用したいタイミングが被ってしまうという可能性も大いに考えられます。大切な商談や会議を予定していた場合、場所がなく困ってしまうというリスクも懸念されるでしょう。

 

一般的に、会議室や応接室などの共有スペースは予約制が多いため、利用したい時間が確定した際にはすぐに予約するようにして、確実に部屋を押さえるようにしましょう。

シェアオフィスを選ぶ際のポイント

自由で快適な働き方を行うためには、シェアオフィスを選ぶ際に注意したいポイントが5つあります。
それぞれわかりやすく解説します。

ポイント①立地を重視する

オフィスの立地は通勤の利便性の高い場所を選びましょう。
主要駅の近くや都心部のオフィス街の一角などは、来客からのイメージも良くオフィスの印象も向上します。
また、周辺のランチができるお店やコンビニの充実度は、社員の満足度にも大きく影響するので事前に確認したいポイントです。

 

雨に濡れずに出勤できるため、駅から地上に出ずに出勤できる駅中ビルも人気です。

 

ただし、アクセスの良い立地は人気が高い分、費用が高くなるため予算と相談して検討しましょう。

ポイント②設備や機能などで選ぶ

共有できる設備や機能面から選ぶこともおすすめです。
オフィスによって、提供しているサービスは異なります。事前に、どのような設備を利用できるのか、サービスの質はどの程度なのかを確認しておきましょう。

【主な設備・サービス】

  • 会議室・応接室の有無
  • 個室の形態(完全個室またはパーテーション区切りなど)
  • 法人登記はできるか
  • 共有設備の充実度

サービスは有料であるケースも多いため、追加料金がかかるのかも合わせて確認しましょう。

ポイント③許容できる価格の範囲で選ぶ

無理のない予算で利用できる価格プランを選びましょう。
シェアオフィスは、月額賃料プランのほかに、利用した時間に応じて支払うドロップインプランの2つがあります。社員の人数や働き方に合わせて予算を調整しやすいプランを選ぶと良いでしょう。

 

オフィスによっては、月額の利用料金の他に入居時の初期費用や退去費用などにも差があることも。そのため、複数のオフィスから比較検討することがおすすめです。

ポイント④オフィスの規模で選ぶ

シェアオフィス全体の専有面積やサービスなどの規模で選ぶこともおすすめです。

 

大規模なビルの一室を共有できるオフィスだと、賃貸契約では利用できないような充実した設備環境のもとで働くことも可能です。優れたオフィス設備が整った場所を、コストを抑えて利用できます。

 

またオフィスの規模が大きければ、共有スペースが全て埋まってしまい利用できないという心配もありません。使用したいときに使用できないということが続けば、社員のストレスばかりか、顧客からの信頼性を損なうトラブルにも繋がりかねません。
ゆとりを持って働ける環境であるか、オフィスの規模を視野に入れて確認することが大事です。

ポイント⑤セキュリティ面から選ぶ

シェアオフィスは、自社の社員以外も出入りするためオフィスのセキュリティ面が万全であるかも注視すべきポイントです。
共有スペースや受付などのセキュリティ管理は事前に確認しましょう。

 

シェアオフィスは、コワーキングスペースなどと違って個室スペースが設けられているオフィスが多く、PCや書類などの取り扱いが煩雑になる傾向があります。自社スペースだから大丈夫、とパスワードをかけずにデスクを離れてしまい情報漏洩に繋がる危険性もあり得ないとは言い切れません。

 

個室に施錠管理が付いているか、パーテーションの高さや防音性はどうなっているかなどセキュリティ面での不安解消を行いましょう。

条件に合ったシェアオフィスを選び、快適に働こう

いかがでしたでしょうか。

 

今回は、場所や時間にとらわれないオフィススタイルの代表である「シェアオフィス」について解説しました。シェアオフィスは、低予算で自由な働き方ができる最新のオフィススタイルです。専有スペースと共有スペースの両方を併せ持ち、充実したオフィス環境で働けるメリットが多く

 

オフィスの拡大・縮小に伴い移転を検討している場合は、好条件を見つけやすいシェアオフィスがおすすめです。

 

予算や立地、提供されているサービス内容を比較し、自社に合ったシェアオフィスを探しましょう。

 

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