オフィス移転の担当者になったらどうする?注意すべきポイントを解説
オフィスが移転することになり、自分がオフィス移転プロジェクトの担当者になってしまった…!そんなとき何から始めたらよいか、いつから準備し始めればよいのか、わからなくなってしまうのは当然のことです。
本記事では、オフィス移転の担当者になったらすべきことについて解説します。
担当者になったときに注意すべきポイントについてもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
オフィス移転担当者の役割とは?
オフィス移転担当者の役割は、オフィス移転の計画から実施、完了するまでの一連の仕事を担うことです。
移転のスケジュール管理や新オフィスのレイアウトやデザイン、必要な家具等の購入、予算決め、業者の手配、諸々の手続きなどが含まれます。
オフィス移転は、決められた期間で行うわけですから、かかるタスクと費用のバランス等を踏まえたマネジメント能力が問われるというわけです。
オフィス移転の流れ
ここからはオフィス移転の流れについて解説します。
要件を整理する
まずはオフィスを移転するにあたり、要件の整理を行います。
というのもどうしてオフィス移転するのか、そもそもの移転の目的とは何かについて知っておくべきだからです。知っておかなければ、新オフィスの物件選びに反映されない可能性があります。
もし従業員が増え、オフィスが手狭になっているのが原因であれば、敷地面積が広いオフィスを検討しなくてはなりません。このように移転目的とそれに伴う物件の選定を行っていきます。
オフィス移転計画を作成する
ある程度新オフィスの目安が立てば、オフィス移転計画を作成していきます。
スケジュール感やタスクの量、かかるコストの算出、設備等の調整などが挙げられます。
これらの基本的な計画については、移転から6~7か月前に行うのが一般的です。
社内向けにマニュアルを作成し周知する
基本的なオフィス移転計画が定まれば、社内向けにマニュアルを作成し、周知していきます。
誰がどこの荷造りを担当するのかなどの具体的な指示に加え、得意先への移転連絡はどのようにするのかなども決めるとよいでしょう。
マニュアルをしっかりと作りこんでおくことで、従業員の混乱もありませんし、スムーズに進めることができます。
マニュアルはただチャットやメールで渡すのではなく、対面式の説明会のような場を設けて行うとより浸透しやすく、見逃し等も防ぐことができるのでおすすめです。
従業員の不明点はできるだけ早期に解消し、気持ちよく作業ができるよう持っていくことが大切といえます。
各種届出書を出し引越しを行う
オフィスを移転させるとなると、消防署や税務署、警察署などに対して手続きを行わなければなりません。
事務的な手続きのほかにも電気やガスといったライフライン関連の手続きには、立ち会いも必要となってきます。
主な手続きは以下です。
-
- 年金事務所:適用事業所所在地・名称変更届
- 郵便局:転送届
- 消防署:防火対象物使用開始届出書・防火対象物工事等計画届出書
- 法務局:本店・支店移転登記申請書
など。
マニュアル以外にも具体的なタイムスケジュールがあるとより立ち回りが難なく行えるでしょう。
旧オフィスの原状回復工事を行う
旧オフィスは、借りたときの状態に戻す原状回復工事をしなければなりません。
基本的に個人の家では経年変化した箇所はそのままで良かったり、原状回復の範囲外だったりするものですが、法人の原状回復は素人が行える範疇ではないものがほとんどです。
そのため専門の業者に依頼するのが一般的です。原状回復の範囲をあらかじめ管理会社もしくはオーナーに確認し、しっかりと原状回復されているのか確認します。
原状回復が完了したら、期日までに引っ越しを完了させなければなりません。
オフィス移転の担当者になった際に注意すべきポイント
ここからは、オフィス移転の担当者になったら注意しておくべきポイントについてご紹介していきます。
スケジュールを把握する
オフィス移転担当者として、絶対に欠かせないのが「スケジュールの把握」です。
旧オフィスの解約と原状回復工事、新オフィスの賃貸契約とデザイン・レイアウトの検討、そして荷造りからの引っ越し、諸々の手続きや届出など、すべきことが決まっています。
オフィス移転がどのような流れで進んでいくのか、全体像からミニマムなところまでの流れを頭に入れておかなくてはなりません。
各工程にどれくらいの時間・期間を要するのか、オフィス移転からの逆算で物事を進めていく必要があります。どの工程もギリギリに動いていては遅延する原因になるので、余裕をもって進めていきましょう。
オフィス移転の目的を明文化する
各企業ではオフィス移転のコンセプトを掲げているケースもあります。
コンセプトを掲げることでレイアウトやデザインのヒントになりうるからです。
このようにまずオフィス移転の目的を明文化し、どのようなオフィスを目指すのかを担当者がしっかりと把握することが移転の成功のカギを握ります。
従業員同士がコミュニケーションを取りやすい場にしたいのか、リモートワークなど出社が少ない企業向けのオフィスにするのかなど、目的は様々です。
移転の目的が明確化されることで、担当者自身も立ち回りやすくなります。
営業開始日を把握する
オフィスを移転したからといってその日から営業を開始できるとは限りません。
インターネット回線が完了していなかったり、電気が通っていないと機器が動作しなかったりして業務ができないからです。
中小企業~大企業のインターネット回線の開通には、長くて1ヶ月程度かかる場合もあります。
そのため、営業開始日をいつにするのか、そこから逆算してスケジューリングしなければならないことを覚えておきましょう。
工事担当者とコミュニケーションをとる
工事担当者とコミュニケーションをうまくとるのも、オフィス移転担当者の役割です。
コミュニケーションを密にとれていれば、トラブルが起きたときの対処法や順調に進んでいるかの確認などもできます。
反対にあまりコミュニケーションを取れない業者を選んでしまうと、いつの間にか工事が遅延していたなんてこともありえます。
YESマンな工事担当者がよいというわけではなく、適切な提案をしてくれる業者を選びましょう。
旧オフィスの解約時期を検討する
旧オフィスを解約すると、取り消すことは基本的にできません。
つまり解約通知を出す=必ず出なくてはならない、ということになります。
新オフィスの審査が通らなかった、何らかの事情で賃貸契約しなくなったとなっても、旧オフィスの解約という事実は変わりません。
そのため旧オフィスの解約時期は慎重に決めなければなりません。
工事の区分の違いを把握する
工事に慣れ親しみのない方だと混乱しがちですが、工事にはいくつかの区分があります。
基本的にテナントに入るビルには「ビル全体の安全性を担保するための工事」と「デザインを決めるための内装工事」の2種類があります。
前者はビルが決めた業者が工事を行い、後者は自分たちが予算を決め依頼した業者が行うことになるのです。
それぞれの業者の予算やコストを把握し、引っ越し費用・原状回復工事費用なども見据えて決めていかなければなりません。
オフィス移転のマネジメントは業者に依頼するのも一案
これまでご紹介したようにオフィス移転には、高度なマネジメント能力が必要で、普段やり慣れないことの連続です。
業者・プロに依頼するのも一案ということを覚えておきましょう。
業務負担を軽減できる
オフィス移転をプロに任せることで、自らの業務負担を軽減することができます。
特に時間のかかる新オフィスの物件探しやオフィスのデザインなどは、委託することで通常業務に集中することができるでしょう。
上記以外にも業者とのスケジュール調整なども、二転三転するケースもあり、ストレスになりやすいものの、業者に任せることで自ら組みなおす手間もありません。
自分の通常業務に支障が出ずに、オフィス移転を遂行できるのは最大のメリットです。
コストの軽減につながる
プロに依頼するとコストの増加につながると思われがちですが、実はコストカットになるんです。
というのもあまり専門知識のない素人の担当者が、施工業者や工事などを選定すると、もっと安くできる方法があるにも関わらず、見落としてしまう可能性があります。
プロに任せると工事や業者の最適化ができ、結果的にはコスト削減につながります。
オフィス移転の際の不安材料を取り除ける
オフィス移転は、仕事をしていてもなかなか回ってこない役回りです。
だからこそ人に相談しにくい悩みなども出てくるでしょう。例えば条件に沿う物件が見つかるのか、原状回復にはどれくらいの時間を要して、どれくらいにはじめればよいのか…などです。
そんな不安はこれまでのあらゆる経験をしてきたプロであれば、的確なアドバイスがもらえ、失敗を防ぐことができます。
オフィス移転には通算1年程度はかかるので、1年間分の不安が取り除かれると思えば、プロに依頼するのはメリットといえます。
オフィス移転担当者にはスケジュール管理が欠かせない
今回はオフィス移転の担当者になったらということで、オフィス移転の基本的な流れや担当者が注意すべきことについてご紹介してきました。
オフィス移転はなかなか担当する業務ではないため、何から手を付けていいのかわからないと不安になる方も多いでしょう。
担当者はまずオフィス移転の全体像や目的を把握し、移転当日から逆算したスケジューリングを行うことが成功への近道です。
とはいえ年単位の業務になり、わからないことだらけでしょうから、そんなときはプロに頼んでアドバイスしてもらうと安心でしょう。