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公開日 2023.09.29 更新日 2024.01.15

オフィス移転にかかる費用と節約方法を徹底解説

オフィスの移転を検討しているけれど、費用相場がわからずお悩みの企業様も多いでしょう。 

オフィス移転は一般的な賃貸住宅の契約と違って、おおよその相場というものがありません。そのため発生する費用の全体像が掴みにくく、最終的に確定した総額を見て愕然とするケースも少なくありません。 

 

本記事では、オフィス移転にかかる費用相場と内訳、費用を節約するためのオススメの方法をご紹介します。移転にともなう費用を把握することで、コストを抑えたオフィス移転を実現できるでしょう。 

 

オフィス移転を失敗したくないオーナーの方は、ぜひ最後までご覧ください。 

オフィス移転の費用の相場

オフィス移転にかかる費用は、オフィスの規模や従業員数、契約内容によって大きく異なります。安くても数百万円、規模が大きいと1千万円は超えるとされています。 

 

費用相場を知るためには、入退去時に発生する費用項目ごとの平均値と照らし合わせる必要があります。自社の規模を想定して、計算してみましょう。 

 

【退去時にかかる費用】 

原状回復工事費  小規模オフィス(50坪まで)  3万円〜5万円/坪 
大規模オフィス(50坪以上)  5万円〜10万円/坪 
不用品・廃棄物処理費  2トン車  7万円〜8万円 
4トン車  12万円〜15万円 
賃料  契約内容によって数か月分の賃料を支払う 

 

 

【入居時にかかる費用】 

敷金  賃料410ヶ月分
礼金 賃料1〜2ヶ月分
仲介手数料  賃料1ヶ月分 
前賃料  賃料2ヶ月分 
火災保険料  2万円/2年間〜 
設備・通信工事費 5万円〜15万円/坪 
備品・家具購入費  5万円〜30万円/従業員1 
保証会社加入料  賃料1ヶ月分 
引越し費用  2万円〜5万円/従業員1 
広告・告知の費用 1万円〜3万円/従業員1 
届出書類の作成費用  10万円〜25万円 

 

移転費用の内訳

「オフィスの移転に、こんなにも費用が掛かるなんて」と驚かれている企業様も多いでしょう。 

 

ここからは、それぞれの費用項目の内訳を解説します。 

旧オフィスの原状回復費用

オフィスの退去時には、旧オフィスを原状回復する必要があります。 

オフィスへ入居する際には、規模や希望のレイアウトに合わせて内装工事を行いますが、退去時には、内装工事を行う前の状態に戻さなければなりません。 

このことを「原状回復」と言います。 

 

賃貸借契約上、オフィス物件の原状回復は入居したオフィス側が全額負担します。敷金である程度はカバーされるかもしれませんが、費用の詳細は建物オーナーや不動産会社としっかり確認しておきましょう。 

 

関連記事:賃貸オフィスの原状回復とは?工事内容を徹底解説

新オフィスの契約費用

新たに入居するオフィスの契約費用が発生します。内訳は以下の通りです。

  • 敷金
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 火災保険料
  • 前家賃

 

賃貸住宅と同様に、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料があるほかに、賃貸借契約によっては前家賃の支払いが義務付けられていることもあります。 

 

敷金は退去時に返金される可能性がありますが、原状回復工事に充てることで満額返金されないことも。礼金は、返金されることがないので、相場を超えていないか十分確認しましょう。 

 

仲介手数料は貸主に対してではなく、不動産会社などの仲介業者へ支払う費用です。賃料の1ヶ月分が一般的です。 

 

火災保険料は、敷地面積によって料金が変動します。旧オフィスより広いオフィスへの移転を検討している場合は、費用が以前よりも高額になることを念頭に入れておきましょう。 

移転先オフィスの工事・設備費用

移転先のオフィスの内装工事にかかる費用も忘れてはなりません。工事・設備費用は、大きく以下3つに分けられます。 

  • 内装工事費用
  • 備品・家具購入費
  • 通信工事費用

内装工事費用は、敷地面積やレイアウトの内容によっては大きく膨らむことも。簡易的な会議室や休憩室などをつくるパーテーションなどの設備がここに含まれます。 

 

備品・家具購入費とは、デスクや椅子、コピー機など業務に必要な備品や、内装に合わせたインテリア家具を含めた費用です。旧オフィスの家具を捨てずに再利用することで、費用は大きく抑えられます。 

 

通信工事費用はWi-Fiや電話、電気などのインフラ整備にかかる費用です。セキュリティ面を厳重にしたい場合は費用高くなります。 

引っ越し費用

新オフィスへ引っ越しする際には、引っ越し費用が発生します。 

引っ越し費用は従業員数によって変動し、規模の大きい企業であればあるほど高額になります。 

一般的に、従業員1名あたり2万円〜5万円が平均相場とされています。 

 

また、引っ越しの繁忙期である10月〜11月、2月〜4月は、相場の1.52倍程度にまで費用が高額になる可能性があります。移転の時期は、繁忙期と重ならないタイミングを狙いましょう。 

不用品の廃棄費用

退去時に発生した不要なオフィス家具やOA機器の廃棄費用も必要になります。 

2トン車で済む場合は78万円、4トン車になると1215万円程度となります。 

さらにパソコンなどの精密機器の廃棄は、追加で11,500円〜3,500円発生することも。 

 

なるべく廃棄費用にコストをかけたくないという場合は、市区町村の規定に従い、リサイクル品の回収を依頼しましょう。 

対象物は、パソコンや電話機、FAX、冷蔵庫など大型家具も含まれます。 

 

ただし、セキュリティ面を考慮するならパソコンや電話機などの情報漏洩が危惧される機器の廃棄は、専門業者へ廃棄依頼をすることをおすすめします。 

 

関連記事:オフィス移転の際に出る産業廃棄物とは?処理方法も紹介

諸手続きの経費

オフィスを引っ越しする際には入退去費用のほかに、移転に伴う各所への届け出費用があることも忘れないようにしましょう。 

具体的に、以下の費用が考えられます。

  • 社会保険事務所
  • 法務局
  • 税務署

 

社会保険事務所や税務署、法務局への書類提出には専門知識を要するため、行政書士へ依頼し代行してもらうことが一般的です。 

 

また、パンフレットやカタログ、封筒に記載している住所変更に当たる印刷物の新規発注費用も発生します。従業員の名刺も新たに刷りなおすとなると、従業員1名あたり13万円程の費用が発生するとされています。 

オフィス移転の費用を抑える方法

オフィス移転に発生する費用をできるだけ抑える方法をご紹介します

備品を捨てずに活用する

新しいオフィスでは、心機一転オフィス家具や備品を買い替えたいという気持ちになるものです。しかし、全ての家具を新品で揃えると莫大な費用が発生してしまいます。 

 

そのため、まだ使える備品は捨てずに移転先でも利用するようにしましょう。使いまわせるものは再利用をして、買い替えるべき備品は何かをあらかじめ決めておくことで予算も組みやすくなります。 

 

旧オフィスと新オフィスのレイアウトや内装がそこまで大きく変わらないのであれば、従来のものをそのまま再利用しても問題ないでしょう。 

備品の再利用の可否は、移転費用を大きく抑えられるポイントでもあるのです。 

テレワークを利用し、オフィス規模を縮小する

そもそも移転先のオフィス規模を縮小するという手もあります。 

フロア面積が縮小されることで、内装工事費用や通信工事費用は大きく抑えられます。また、固定費である賃料や火災保険料も安くなるので、長期的なキャッシュフローを計算しても費用の削減に繋がります。 

 

近年はテレワークを導入している企業も多く、オフィスの在り方が多様化しています。自社の働き方の方向性に合わせて、オフィスそのものを縮小するという方法もおすすめです。 

複数の引っ越し業者に見積もりを取る

引っ越し業者を選ぶ際は、必ず複数から見積もりを取るようにしましょう。 

引っ越し費用は、従業員1人あたり2万〜5万円程度とされています。業者によって引っ越し費用は異なるので、1社に絞るのではなく複数の業者から見積もりを取ることが費用を抑えられます。 

 

相見積もりを取る中で、費用面だけでなくサービス面についても確認しましょう。 

家具、備品の運搬だけを担う業者もあれば、内装工事やインターネット回線工事までトータルサポートしてくれる業者までさまざま。 

最終的な費用を比較するためにも、複数の業者から見積もりを取ることは欠かせません。 

新オフィスの貸主と賃料交渉する

新オフィスの貸主へフリーレント契約を交渉することもおすすめです。 

フリーレントとは、入居時から数か月分の賃料が無料になる契約形態。空室が長期的に続く貸主と、テナントを探している企業の両者にメリットをもたらします。 

 

フリーレント契約を結ぶことで、1ヶ月〜3ヶ月程度の賃料の支払いが無くなります。とは言え、フリーレント契約はあらかじめ貸主側から提示していることが多いため、そもそもフリーレント条件を出していない物件に対して交渉することは難しいかもしれません。 

シェアオフィスやレンタルオフィスなども検討する

移転先の選択肢を拡大して、シェアオフィスやレンタルオフィスを視野に入れてみることもよいでしょう。 

シェアオフィスとは、オフィスを複数の企業や個人が共有するフリーアドレスのオフィス形態です。そしてレンタルオフィスとは、個室などの専有スペースがありながら必要に応じて共有スペースも利用できるオフィス形態です。 

 

会議室や受付などの共有スペースの賃料は、ほかの企業と按分して支払うというイメージです。そのため賃料は、一般的なオフィスと比べると大幅に抑えられます。 

さらに、オフィス備品や電気、水道、ネットワーク回線などのインフラ設備がすでに用意されているので初期費用の削減にもつながります。 

オフィス移転を成功させる秘訣

オフィス移転を成功させる秘訣を解説します。 

早めのスケジューリング

オフィスの移転は、高額な費用が伴う大規模プロジェクトです。 

企業の規模によっては、数億円にも上る費用が発生するとされています。移転計画を円滑に進めるためには、遅くとも1年以上前の移転先の決定と半年前までの賃貸契約を行いましょう。 

 

また、年度末前などの引っ越し業者の繁忙期は引っ越し費用の水準が高くなるため、繁忙期を避けたスケジュールを組めるように計画することも大切です。 

必要に応じてコンサルティングを利用する

規模の大きい企業や移転が初めてという企業は、「人が少ないので、移転が進まない」「移転に伴う各所の届け出や流れがわからない」といった悩みを抱えているでしょう。 

 

オフィスの移転には費用だけでなく、各所への連絡やあらかじめ進めるべき手配など膨大な作業があります。日常業務に加えて引っ越し作業も同時並行で進めることが困難という場合は、オフィス移転に関するさまざまな業務を代行してくれるコンサルティングサービスに依頼しましょう。 

 

コンサルはオフィス移転の実績があるプロ集団なので、安心して一任できます。

レイアウトを吟味する

従業員の声に耳を傾け、新オフィスのレイアウトに活かすことも大切です。 

オフィスは、従業員が同じ空間で仕事を効率的に行うための大切なワークスペース。一人ひとりが快適に過ごしやすい環境である必要があります。 

 

企業の掲げるコンセプトに従業員の意見を合わせて、理想のレイアウトを完成させましょう。 

オフィス移転の際の注意点

オフィス移転に失敗しないための注意点をまとめました。 

  • 不用品の処理は早めに行う
  • 解約連絡は遅くとも半年前までに
  • 定期的にオフィス環境を見直す

 

一つ目は、産業廃棄物などの処理を早めに行うことです。 

産業廃棄物を処理するためには専門の運搬業者と処理業者との契約が必要です。処理に伴いマニフェストの書類の準備も求められるため、不用品の目途が立てば早めの処分計画を進めましょう。 

 

二つ目に、旧オフィスの解約通知は遅くとも半年前までに行いましょう。 

契約内容によっても異なりますが、不用品処理や新オフィスへの内見、業者への手配など引っ越しまでにすべき作業は多いです。入退去に時間が取られ忘れないうちに、早めの連絡を済ませましょう。 

 

最後に、定期的にオフィス環境を見直すことです。 

従業員の異動や業務内容の変更、業績によってもオフィスの在り方はこれからも変化していくでしょう。長期的な経営を考慮して移転が必要と判断した際には、新たなオフィスを検討することも視野に入れておきましょう。 

まとめ

オフィスの移転を円滑に進めるためには、発生する費用を洗い出し予算を組むこと。そして、少しでも費用を抑えるために今回ご紹介した節約方法を行うことです。 

 

なかでも、必ず複数の業者から相見積もりを取ることは忘れないようにしましょう。 

費用とサービス面の両者における最も希望に近い業者を比較検討し、引っ越しのパートナー 

に選ぶことをおすすめします。 

 

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