オフィス移転のスケジュールはどう組めばいい?
オフィス移転は、企業の成長と発展の大きな一歩です。しかし、計画から実行に至るプロセスは複雑で時間を要するものです。本記事では、日本橋で新たなオフィスや事務所物件を探している企業の担当者や代表者が、オフィス移転のスケジュールを効率よく組み立て、業務の中断を最小限に抑えつつ、スムーズな移転を実現するためのポイントをご紹介します。
目次
オフィス移転にかかる期間の目安
オフィスの移転は慎重な計画が成功への要となります。通常、小さなオフィスの場合は3ヶ月から半年、中から大きなオフィス移転には半年から1年程度の準備期間を想定するのが適切です。この時間枠には、新しい場所の選定から移転当日までのタスク、そして新しいオフィスで業務がスムーズに運営できるようになるまでの期間が含まれています。
オフィス移転までにするべきこと
スムーズなオフィス移転のためには、計画的な事前準備が欠かせません。移転する目的をはっきりさせた上で、物件の選定から当日の作業フローまで、ステップバイステップで計画を進めることが求められます。さらに、従業員への通知、業務の連続性の保持、新旧オフィスの契約の詳細検討など、細部にわたる配慮も大切なポイントです。
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移転の目的を明確にする
移転の目的を明確にすることで、効率的なプランニングが可能になります。スペースの確保、コスト削減、アクセス向上、企業イメージ強化など、具体的な移転理由を設定し、それに基づいた物件選びと計画を進めることが重要です。移転の目的を明確にすることは、快適性や効率を確保し、従業員の満足を得るためにも必要であり、理想の働き方を実現するための基準を提供し、移転の成功につながります。
トップダウン型
経営層からの命令を受けて、企業のビジョンや戦略に沿った移転計画を策定します。目標には組織の成長促進や業務の効率化などが含まれます。まず、経営陣が会社の将来像を描くビジョンを明確にします。その後、このビジョンを基にプロジェクトチームが実際の作業環境や働き方について具体化し、その提案を経営陣へ報告します。
ボトムアップ型
移転を機に、社員のフィードバックを集めて快適な職場環境を作ることで、従業員の満足度を向上させます。ワークショップやオンラインアンケートを通じて意見を収集し、経営陣への提言に活かします。「はたナビPro」などの診断ツールを使って社員の意見を定量化し、優先順位をつけることで、経営層と従業員間の意識のギャップを埋める効果的な手段となります。
プロジェクト主導型
移転計画は、専門のプロジェクトチームによって率いられます。こうすることで、プロジェクトの成功が最前線に置かれた移転を実現できます。プロジェクトチームは自主的に最適な働き方を設計し、その結果を経営陣に提案します。
移転先を決める
日本橋でのオフィス選びでは、アクセスの良さ、周辺環境、コスト効率、設備の質に焦点を当てるべきです。立地は従業員とクライアントにとって重要で、地域の魅力がブランド価値を向上させ、将来の成長に対応できるスペースが必要です。運営の継続性と地域との関係も考慮し、アクセス、コスト、通勤の利便性、スペースの適切さを総合的に評価します。条件に優先順位をつけ、検索範囲を絞り込み、見つかった物件については不動産会社に連絡して移転の意向を伝えます。
不用品廃棄あるいは備品の新規発注を整理する
オフィス移転は、不要な備品を整理し、新しい必需品を手配する絶好のチャンスです。効率的な新オフィス環境を作るため、不要アイテムの処分と新規備品の事前注文に注意を払いましょう。移転は大がかりなプロジェクトなので、計画的に進め、新しいオフィスでの作業をスムーズに開始できるようにすることが重要です。新規備品は移転日までに準備を完了させることが重要です。
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原状回復工事の条件や費用を確認する
現オフィスの契約を確認し、原状回復工事の範囲と費用を理解することが大切です。原状回復工事は、オフィスを借りた当初の状態に戻す作業で、解約日までに完了が必要です。オーナーが指定する業者がいるか、工事の範囲は契約によって異なるため、これらを確認しましょう。費用はオフィスの規模により異なり、一般的には1坪あたり20,000円から100,000円が目安です。
オフィス移転の際に発生する業務
オフィス移転では、旧オフィスの清算、新オフィス契約、移転計画、IT移設、従業員への案内などのタスクがあります。これらを効率的に進めるためには、タスクごとにリーダーを決め、内部作業と外注作業を明確に分けることが重要です。詳細は以下にご説明します。
現オフィスに関する業務
移転前に現在契約しているオフィスに対してしなければならない業務について解説します。
①解約の意志表示
現在のオフィスが普通借家契約に基づいて賃借されている場合、契約更新を希望しない旨を大家に知らせるためには、通常、1年から半年前に解約の旨を伝える必要があります。6カ月以内の短期解約を考慮している場合は追加の解約料が発生することもあるため、事前に賃貸契約の詳細を確認しておくことが賢明です。
②原状復帰作業
オフィスを去る際には、通常、入居時のコンディションに戻す必要があります。壁や天井、床などを以前の状態に修復することを、「原状復帰作業」と称します。
新オフィスに関する業務
新たなオフィスへの移転に向けて、必要な業務を解説します。
①目標設定と現況分析
オフィス移転にあたり、最初に行うべきは移転の目的をはっきりさせることです。それを達成するためには、現在のオフィスの不備や問題点を把握する「現況分析」が必要になります。これは現在のオフィス環境や勤務スタイルが直面している課題を明らかにするためのものです。
②物件探索
オフィス移転前には、インターネット上の不動産サイトで条件に合った物件情報を収集しましょう。さまざまなサイトを比較して市場の概要を掴むことが、効率的な物件選びにつながります。これはオフィスの機能性向上と従業員の快適性確保に重要なステップです。
③コンセプト策定
目標が決まったら、それに基づき「オフィスの根本的なアイディア」を設定します。このアイディアは、オフィス造りの方向性を示す基盤となり、空間のレイアウト、必要な機能、そしてデザイン選択の基準として役立ちます。統一感のあるコンセプトに従ってオフィスを構築することで、調和のとれた働きやすい環境を作り出すことができます。
④必要条件の明確化
新しいオフィスの立ち上げに際しては、「従業員数」「会議室の必要数」「デスクトップコンピューターや複合機といった機器の必要台数」などの基本となる要素をはっきりと洗い出しておくことが重要です。
⑤スペース配分と設備計画
選定したオフィスビルの平面図を参考に、作業スペース、会議室、リラックスエリアなどの区分けを計画します。オフィス家具や必要な機器類の配置計画に加えて、データや通信のインフラ整備もこのタイミングで検討することが必要です。文書管理計画も併せて策定することが望ましいでしょう。
⑥移転計画のタイムライン作成
移転プロセスを開始するにあたり、既存オフィスの「原状回復工事」に関する打ち合わせを行い、必要な期間とコストを見積もります。得られた見積もりをもとに、新オフィスにおけるLANの配線、電気工事、内装や仕切りの設置に関わる費用とスケジュールを検討します。このデータを基に、家具の配送や移転日程などの具体的なプランニングを進めていきます。
⑦見積もりコストの計算
移転が予定されているオフィスにかかるおおよその費用を試算し、全体のコストを算出します。
⑧計画の見直しと実施のための設計図の作成
実施に移すための詳細な計画を定め、実施計画の図面を作成します。移転の3ヶ月前にはオフィスの配置計画が固まるように進行させ、プランが確定次第、必要な工事や家具・備品の手配に着手します。
⑨費用の見直し
予算内に収めるために計画の再評価と調節を行います。
⑩関連する施工業者の手配と調整
実行計画の図面が固まったら、データネットワーク設備、電気設備、内装や天井の施工業者を選びます。ただし、工事の種類によっては、ビルの管理会社から指定の業者を使うことが求められることがあるため、作業に着手する前にビル管理会社との確認が不可欠です。
⑪工事監理
施工段階では、工事が設計図に準拠して適切に行われているかを監理すると共に、ビルの規則や法令に抵触しないよう工事の進行を確認します。
⑫移転のための準備と従業員向けのブリーフィングの開催
引越しの具体的な日が決定した段階で、社内にて引越しに関する説明会を実施します。この会では、新しいオフィスの配置図、文書保管のための新しいシステム、電子機器の搬送方法、不要物の処分計画、作業のタイムライン、そして新オフィスのデザインコンセプトや想定される新たなワークスタイルについてスタッフに情報を提供します。
⑬さまざまな建設現場
さまざまな施工作業が計画に沿って進行しているかを検証します。これには内装や仕切りの設置などが含まれます。
⑭申請・手続きの実施
オフィスを移転する際は、法務局や税務署、社会保険事務所など関連する機関に必要な通知を行う必要があります。提出書類には期限が設けられている場合も多いため、チェックリストを用いて手続きを漏れなく迅速に行うことが大切です。
⑮発注者による工事検査
工事完了後、施主としては計画通りに作業が進められたか、家具やオフィス機器が正しい位置に配置されているかを検証します。これは入居する前に行う最後のチェック作業です。
オフィス移転のスケジュール
企業のオフィス移転担当者向けに、オフィス移転の一般的なスケジュールに関して説明します。オフィス移転のスケジュールは、移転の規模や複雑さに応じて変わりますが、一般的には以下のような流れになります。
移転6か月前まで
オフィス移転の6か月前には、現オフィスの契約解除手続きと必要な原状回復の範囲を確認することが大切です。特に、多くのオフィスビルで要求される6カ月前の解約通知期限を逃さないよう注意が必要です。原状回復も契約期間内に終えるべきです。これらの初期手続きを終えたら、設定条件に基づいて新オフィスの検索をウェブで開始し、可能なら現地確認を行い、優先順位を設けて柔軟に対応することが重要です。
移転4~5か月前まで
オフィス移転の5〜4ヶ月前には、以下のステップを実行します。
- 現オフィスの原状回復工事のための業者選定と見積もり
- 移転計画の詳細化
- 新オフィスの下見と選定
- 物件契約の締結
新オフィス選びでは、メリットとデメリットを比較し、重要な条件を明確にして意思決定を行います。契約時には、条件を詳細に理解し、家賃交渉も検討します。レイアウト計画では、現オフィスの改善点を考慮し、効率的な動線を設計しますが、専門家の意見も取り入れて最適なレイアウトを目指します。
移転2~3か月前まで
オフィス移転の3〜2ヶ月前には、以下の作業を行います。
- 不要な家具や備品の処分、新規購入品、移転品のリストアップ
- 荷物の選別による引越し費用の削減とスケジュール調整
- 品質と効率を考慮した引越し業者の選定
- 電話やインターネットの移設手配、原状回復工事のスケジュール確定
- 連絡先変更の通知と印刷物の更新
- 移転挨拶状の作成と配送計画
計画的に進めることで、スムーズな移転を実現できます。
移転1か月前まで
移転予定月の30日前には以下の作業を行います。
- 新オフィスの内装工事監督と新備品の配置
- 電気とLANのインフラ整備、インターネット接続の早期手配
- 取引先への移転通知と各種届出の実施
- 行政機関への手続きと必要書類の提出
- 入居審査に必要な決算報告書や事業計画書の準備
- 商業登記簿謄本や印鑑証明書などの契約書類の提出
- 専門業者との連携による進行管理
- 旧オフィスの原状回復作業と産業廃棄物の処理計画
効率的な移転と原状回復を確実に行うために、計画的に作業を進めることが重要です。
移転当日
移転当日に必要な作業を紹介します。
①サポート体制の確保
新オフィスでの業務開始日には、予期せぬITの問題やその他の緊急事態に対応できるよう、移転作業に携わった各種サービス提供者に新しい場所での待機を依頼しましょう。
②完了図面の取り扱い
新オフィスのレイアウト調整、改修作業、配線の再計画などの際に必要となる完了図面は、施工を担当した業者から受け取り、将来的な使用のために丁寧に保管しておくことが肝心です。
オフィス移転業者を選ぶ際のポイント
オフィス移転業者の選定にあたっては、移転の目的や要望の範囲、環境への期待を事前にはっきりさせることが肝心です。そうすることで、自社のニーズに合致する業者を見つけやすくなります。最後に、業者によって提供されるサービスの範囲が異なるため、以下のポイントを考慮することが重要になります。
オフィス要件を事前に整理しておく
オフィス移転を円滑に行うためには、予算を「1,000万円以内」といった具体的な数字で業者に伝え、移転する従業員の人数を明示することが重要です。これにより、移転の規模が業者に正確に伝わります。また、オフィスの広さは新しい場所の選定やレイアウト、原状復帰のコスト見積もりに不可欠です。実施時期を「5月末まで」と具体的に決め、業者への依頼範囲も「ビル選定から施工調整まで」と明確にすることで、効率的な業者選びが可能になり、移転プロセスがスムーズに進行します。
管理体制をチェックする
実績のあるメンバーがいるかどうかを含め、業者の管理体制を確認します。
営業を中心に、設計や施工管理など各工程に対し専門スキルを持ったプロジェクトメンバーがチームで対応する業者を選ぶことをおすすめします。
そういった業者を選ぶことで「移転業務や準備に携わる人手が確保できない」「移転業務の進め方がわからない」「専門知識がないため不安」といったオフィスづくりに関する課題や不安を解決することにつながります。
オフィス完成後の対応も確認する
オフィス移転後のサポートも大切です。移転が終わっても、働き方の変化や多様性に合わせてオフィスを改善し続ける必要があります。そのため、単にコストだけでなく、長期的な関係を築ける移転業者を選ぶことが重要です。
ワンストップで依頼できるかどうかを確認する
オフィス移転時は、物件探しから内装、引越し、IT設定、行政手続きなど多岐にわたる業務があります。これらを別々の業者に依頼すると効率が悪くなるため、全てのサービスを一括で提供するワンストップの移転業者を選ぶことが重要です。これにより、作業の効率化とプロジェクトの統一感を保つことができます。
移転スケジュールを短縮できる居抜きオフィス
居抜きオフィスを選ぶことで、オフィス移転のプロセスを大幅に効率化できます。すでに備え付けられた家具や設備を活用することにより、内装工事の時間とコストを削減するメリットがあります。
居抜きオフィスとは、家具やレイアウトが整い、即座に使用可能な状態で提供されるオフィススペースのことです。通常、テナントは退去時にオフィスを原状に戻す必要がありますが、居抜きオフィスの場合は前のテナントが原状復帰作業をせずに退去するので、新しいテナントは家具の購入や改装のコストを抑えることができます。
日本橋新オフィスへのスムーズな移転を実現するための計画ガイド
オフィスの移転成功は、計画的なスケジュール管理にかかっています。この記事で触れた要点を踏まえて、日本橋での新オフィスへの移転作業をより効果的かつ円滑に行っていただけることを願っています。移転に関するご不安がある場合は、「日本橋オフィスマン」へまでご連絡いただければ、迅速にサポートさせていただきます。