オフィス移転時の失敗10選!失敗しないためのポイントも紹介

オフィス移転することで、家賃をはじめコストが削減できた・仕事の効率が上がったなど、移転がプラスに働く事例はいくつもあります。
一方でなかなかスムーズに移転ができなかった・旧オフィスよりも働きにくくなったなど失敗してしまったケースも実際に存在します。
オフィス移転は会社にとっても大きなプロジェクトですから、できるだけ失敗はしたくないものです。
そこで本記事ではオフィス移転時によくある失敗から、失敗しないためのポイントなどをまとめてご紹介します。
これから移転オフィスを行う人やオフィス移転を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
オフィス移転を検討するきっかけとは
まずはオフィス移転を検討するきっかけについて解説します。
きっかけは大きく分けて7つです。
- 社員数の変動
- 働き方改革や生産性向上
- 会社のブランディング
- 人材採用の強化
- 業務の縮小・拡大
- 経費の削減
- 老朽化や賃貸契約の終了
一つずつ詳しく見ていきましょう。
社員数の変動
社員数が増えたり減ったり、変動するとオフィス移転のきっかけとなります。
増えた場合はオフィスが手狭に感じることが多く、広いオフィスに移転する必要があります。反対に減った場合やリモートワーク等を導入した場合などは、オフィスを縮小化するための移転を行うのが一般的です。
社員数の変動によりオフィス移転するのは、至極当然のきっかけといえるでしょう。
働き方改革や生産性向上
オフィスを移転することによって、働き方改革や生産性の向上が見込めます。
最近のオフィス移転のきっかけとして、とても多い理由の内の一つです。
リモートワークやハイブリッド出社などを採用すれば、オフィスを縮小化してもよいですし、導線やデザインにこだわれば仕事の生産性も向上できます。
従業員にとって働きやすい環境を提供するために、オフィス移転する企業も多いのです。
会社のブランディング
オフィス移転のきっかけとして「会社のブランディング」が挙げられます。
ブランディングとは、会社のイメージを作り上げ、他社との差別化や自社の個性を演出するマーケティングのことです。
例えば競合他社が密集しているエリアに移転すれば、関連企業との連携が取りやすくなったり、消費者にも自社のイメージをしてもらいやすくなったりします。
IT系は渋谷に多く、また金融系は証券取引所の周りに多いなど、会社の場所でブランディングすることが可能です。
人材採用の強化
人材採用を強化することも、オフィス移転のきっかけとなります。
求職者は会社を選ぶときに、オフィスの立地や周辺環境、利便性などをチェックします。
もちろん利便性が悪いところよりも、よいところに魅力を感じるのは当然です。
またおしゃれで過ごしやすい快適なオフィスは、会社を選ぶうえで欠かせない要素といえます。そのためよい人材を採用したい!と思っている企業は、オフィス移転を検討してもよいでしょう。
業務の縮小・拡大
社員数の変動ともつながりますが、業務が縮小・拡大した場合、オフィス移転することがあります。
業績があまりよくなく業務を縮小するときは、オフィスもそれに伴い縮小してもよいでしょう。その方が結果的に経費削減につながるからです。
反対に既存事業の拡大、社員数の増加等するときは、オフィスを拡大し働きやすさ重視にしてもよいでしょう。
経費の削減
会社を経営していく中で、必ずかかるものが経費です。オフィスの家賃もそうですし、水道電気代、光熱費などが挙げられます。
オフィスが広かったり立地がよかったりすると家賃や光熱費も上がります。
経費をできるだけ抑えたいときは、今よりも家賃が安いオフィスに移転した方が光熱費も抑えられるのでおすすめです。
長い目で見たときに、経費を削減するなら月々の家賃や光熱費は抑えるに越したことはありません。
老朽化や賃貸契約の終了
オフィスそのものや設備等の老朽化、またそもそも賃貸契約が満了になる場合などは、オフィス移転を検討してよいでしょう。
設備などが古くなってしまって機能しづらくなっている場合、従業員も不満に感じている可能性があります。従業員の満足度を上げるためにも、オフィス移転は大切です。
またオフィスの賃貸契約はだいたいが2年間とされています。契約満了で移転すれば無駄な家賃を払い続けることもせずに移転できるのは魅力的です。
オフィス移転でありがちな失敗
ここからはオフィス移転時にありがちな失敗についてまとめました。
失敗しがちなケースとして「検討~移転まで」「移転後」に分けて解説します。
検討~移転まで
オフィス移転を検討するときから、移転を行うまでの失敗についてご紹介します。
旧オフィスの解約予告が遅れてしまった
オフィスを移転するにもかかわらず、旧オフィスの解約予告が遅れてしまうと、その分契約期間も伸びます。
つまり新オフィスの家賃と旧オフィスの家賃の両方を払う期間が出来てしまうのです。
家賃の二重支払いは会社にとっては、大きな痛手。旧オフィスの解約予告は、新オフィスとの契約の兼ね合いを見て決めるようにしましょう。
気に入った物件が既にとられていた
たくさん探してようやく見つけたお気に入りの物件。
しかし良いと思うのはもちろん自分だけではなく、気が付いたら既に別企業から申し込みがあり、取られてしまったというのはよくある話です。
内覧まで時間がかかってしまったこと、内覧から申し込みまでスムーズに行えなかったことなどが物件を取られる理由となります。
社内で検討しなければならない場合は、できるだけスムーズにいくよう、前もってお気に入りの物件を見せておくのがよいかもしれません。
移転のスケジュールが適切ではなかった
オフィス移転は会社にとって大きなプロジェクトですから、スケジュール管理が成功のカギを握ります。
スケジュールがうまく調整できていないと、工事に遅延がでたり、荷造りができていなかったりとあらゆる失敗につながるのです。
できるだけ余裕をもったスケジュールにしましょう。
業者とのコミュニケーションがとれていなかった
業者と密なコミュニケーションが取れていないと、工事が順調に進んでいるのか、スケジュールに変更がないのかなどの現状が把握できません。
業者から何も連絡がないからうまくいっていると思っていたが、フタを開けてみればかなりスケジュールが遅れていた…という場合もありえます。
そのようなことがないよう、しっかりとコミュニケーションを取り続けなければなりません。また密なコミュニケーションに応えてくれる業者を選ぶ必要があります。
移転後
ここからはオフィス移転後の失敗例についてご紹介します。
オフィス移転の目的を社内に周知できていなかった
オフィス移転の目的やコンセプトを社内に周知できていないと、従業員の不満につながってしまいます。
例えばオフィス移転後、フリースペースができたり、豪華なデザイン・内装を作ったりしたとしても、移転のコンセプトや目的が共有できていないと、「無駄な移転だった」「いろいろ手間がかかった割に何がしたいかわからない」などの不満が出ることにつながるのです。
オフィス移転の目的をしっかりと共有することで、一方的な思いになることを防げます。
社員の働きやすさに配慮できていなかった
どんなにおしゃれなオフィスに移転しても、働きにくかったり、業務効率が下がるような環境だったりすると、従業員から不満が出てしまいます。
デスクやチェアなどを置いても十分に人が通れる広さになっているか、導線が複雑になっていないかなど、働く環境に不備がないかどうかをきちんと確認しましょう。
サーバールームや倉庫を縮小してしまった
サーバールームや倉庫を極端に縮小してしまうと、オフィスに置いておくべき資材も満足に置けない環境になってしまいます。
オフィスとは別に倉庫やサーバールームを借りると余分なコストもかかり、オフィス移転の本来の目的であるコスト削減にはほど遠い結果になるので注意が必要です。
周辺環境のチェックが十分ではなかった
オフィス移転となるとオフィスばかりに目がいきがちですが、周辺環境にも目を見張りたいものです。
周辺に飲食店やコンビニが一切ない・最寄り駅までとても遠い・人通りが少なく夜は危険などといったエリアでは、従業員の働きにくさや安全性の欠如につながります。
最悪の場合には従業員が辞めることにもつながりかねないので、よくチェックし生活しやすくする配慮が必要です。
共有部や管理システムが使いづらかった
共有部や管理システムが使いにくいと、オフィス移転の失敗へとつながります。
例えばエレベーターの台数がオフィスの規模感に比べると少なく移動しにくい・トイレの数が少ない・オフィスのセキュリティが厳しく面倒くさい・清潔さがないなどです。
すべての条件を満たしての移転は難しいかもしれませんが、上記のように毎日感じられるような不満は従業員のモチベーション低下にも直結してしまうので、注意が必要です。
予算をオーバーしてしまった
オフィス移転におけるよくある失敗が、予算をオーバーしてしまうことです。
オフィス移転となると新しい家賃や引っ越し費用くらいだと思われがちですが、意外と費用がかかります。
例えば旧オフィスの原状回復工事費用、移転に伴い新しく購入する家具や機器、反対に不要になった産業廃棄物の処理費用などが一例です。
産業廃棄物等の処理も自ら行うのか、業者に依頼するのかによっても変わります。
またオフィスの規模感によっても引っ越し費用は大きく変動するので、予算は多めにそして細かく分けて整理しておくとオーバーを防げます。
オフィス移転で失敗しないためのポイント
ここからはオフィス移転で失敗しないためのポイントをいくつかご紹介します。
オフィス移転の目的を明確にする
まずは、オフィス移転の目的やコンセプトを明確にすることが大切です。
明確にすることで移転への納得感が増し、従業員の不満の解消にもつながります。
将来的にどのような企業を目指し、どのように事業展開していきたいのかもより具体的に明確化しておくことで、物件が選びやすくなります。
アクセス経路や周辺環境を事前にチェックしておく
移転後のオフィスの交通アクセスや周辺環境を事前に調べておきます。そうすることで、従業員が働きやすく、採用強化にもつながります。
ブランド力のある土地は、オフィス移転も有利に働く可能性が高いので、競合他社がどのような場所で企業を展開しているのかもあわせて確認しておくのがおすすめです。
従業員のニーズや抱えている課題をヒアリングしておく
オフィス移転するときは、事前に従業員の今抱えているオフィスに関する課題やニーズを理解しておくことが大切です。
経営層の一方的な思いだけで移転しては、後々従業員から不満が出るのも無理ありません。
従業員が今オフィスを手狭に感じているかどうか、導線が過ごしにくくなっているかどうかなどをヒアリングします。
そのような課題を新オフィスによって改善できれば、生産性が上がり、モチベーションアップにもつながるでしょう。
移転のスケジュールを把握しておく
オフィス移転のスケジュールを把握しておくことも大切です。
オフィス移転担当者がしっかりスケジュールを握っておくことで、工事や荷造りに遅延が起きても臨機応変に対応することができます。
先回り先回りして対処していくことが可能です。
チェックリストを活用する
チェックリストを活用すれば、オフィス移転の失敗を防ぐことができます。
オフィス移転を進めるにあたって、しなければならないことがとにかくたくさんあります。
それは移転前から移転後まで多岐にわたります。そのため頭で整理するには無理があり、取りこぼしも起こりえるので、チェックリストにまとめるのがおすすめです。
チェックリストで可視化されることで、やらなければならないことが明確になり、進捗も把握しやすいのが特徴的。いつどこで誰がどのようにして作業を進めるのかを記載してください。
関連記事:オフィス移転でやるべきことをチェックリストでまとめて解説!
信頼できる移転業者を選ぶ
信頼できる移転業者を選ぶと、結果的に失敗しにくい傾向にあります。
業者を選ぶときはホームページ等に実績を多く掲載しているところや口コミがよいところがおすすめです。また密に連絡をとってくれ、相談・アドバイスをしてくれるような業者だと安心です。
YESマンがよいというわけではなく、どうすればオフィス移転が成功するかについて話してくれるような人がよいでしょう。
移転費用を節約する
予算をオーバーしてしまいそうだと思う場合は、移転費用を出来る限り節約しましょう。
例えばワンストップで行ってくれる業者を選べば、手間や時間を大幅に削減できます。
またトータルで依頼できるので場合によっては割引してくれることもあるでしょう。
オフィス移転の成功事例
最後にオフィス移転の成功事例についてご紹介します。
会社のブランディングのためのオフィス移転
ある企業では、会社のブランディングを表面化したオフィスにしました。
会社の特徴や事業内容をエントランス一体に取り入れ、会社の思想が表面化できる形にしたのです。
従業員はもちろん取引先にも思いを共有できるのは、独自性があふれています。
人材採用を強化できるオフィスへの移転
ある企業では、人材の採用を強化できるようにするためにオフィス移転を行いました。
若い世代に好まれるような雰囲気、そして企業のイメージを一新するような独創的なデザイン性を取り入れるようにしました。
明るい空間は企業そのものも明るく見せる効果もあり、デザインの重要性を物語ります。
従業員の働きやすさを第一に考えたオフィス移転
ある企業では、従業員の働きやすさを第一に考えたオフィス移転を行いました。
事業部間同士のコミュニケーションが密にあることから、異なる事業部を同じ空間に。
そうすることでより連携がしやすくなり、働きやすさにもつながりました。
オフィス移転の失敗は対策すれば防げるものばかり
本記事では、オフィスを移転する際の失敗例についてご紹介してきました。
誰しもオフィス移転は、何度も経験するものではありません。だからこそ、失敗するのも無理はありません。
しかし会社にとってもオフィス移転は大きなプロジェクトですから、できるだけ失敗は避けたいものです。
失敗する原因はどれも明確ですから、失敗を見越して対策するのがベストです。
分からない場合は業者に依頼することもできるので、検討してみてもよいでしょう。