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公開日 2023.08.24 更新日 2024.01.16

事務所家賃には消費税がかかる! その理由や課税と非課税の線引き例

事務所を借りるとき、その家賃に消費税がかかって驚く方も多いでしょう。住む部屋を借りる際には消費税を支払っていないため、事務所を借りるときは消費税の支払いが必要なのかと疑問に思うのも当然です。では、なぜ事務所の家賃には消費税がかかり、住宅にはかからないのでしょうか?

 

ここでは事務所の家賃が課税される理由や、消費税の課税と非課税の線引きなどについて紹介します。事務所の家賃は企業経営でかかる固定費の中でも多くのパーセンテージを取るため、賃料そのものだけでなく、消費税の有無とその税率についてもチェックしておきましょう。

事務所の家賃に消費税がかかる理由

事務所を借りるとき、家賃の支払いには消費税がかかります。

 

その理由は、事務所は住宅と違い「生活するうえで必要最低限のものとは言えない」からです。事務所は事業目的で借りるもの。そのため家賃は事業を行う対価としてみなされ、消費税の適用範囲に含まれます。

 

ちなみに、実は消費税が導入された平成元年から3年までは、住宅の家賃も課税対象でした。しかし消費税には、以下の2つは非課税とするというルールが設定されています。

【非課税になるもの】

  • 消費の概念にそぐわないもの
  • 社会政策上、特別に消費税をかけないもの

このルールが適用され、平成3年以降、住宅に限ってはその家賃には消費税をかけないことにしたのです。

 

事業用だから消費税がかかるのではありません。あくまでも、住宅が特別に消費税免除されていると考えてください。基本的にはすべての消費に消費税がかかるため、事業をする際には税金も含めて費用を確認する必要があります。

 

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消費税が課税されるかどうかは用途がポイント

消費税が課税されるかどうかは、どのような用途でその物件が使用されるかによります。実際は少々複雑ですが、「仕事で使う」ものには課税されると考えていれば間違いありません。

 

仕事に使う部屋=事務所であれば、その部屋を借りる人が個人事業主でも法人でも等しく消費税がかかります。

 

そのため、住んで生活するための部屋、居住用賃貸物件では家賃に税金はかかりません。ただし、次のような場合は「住むことが目的」であっても課税対象となります。

【課税対象になる物件】

  • ウィークリーマンションなど賃貸期間が1カ月未満と短い場合
  • 民泊を含む旅館業での利用

これらは居住用物件ではあっても、物件を借りた人物が「生活している」わけではありません。そのため、ウィークリーマンションや民泊も事業とみなされ課税対象になります。

消費税課税と非課税の線引き

一般的に「仕事(事業)に使うもの」は課税対象になりますが、課税対象かそうでないかの線引きは難しいものです。

 

ここで代表的なものを確認していきましょう。

課税

費用に消費税がかかる対象となるのは、以下の通りです。
【消費税の対象】

  • 事業目的の家賃・共益費・礼金・仲介手数料・更新料
  • 駐車場
  • 住居兼事務所の事務所部分

税金がかかる対象①事業目的の家賃・共益費・礼金・仲介手数料・更新料

目的が事業用であれば、賃貸物件を借りる際に付属するさまざまな費用にも税金の支払いが必要です。

 

たとえば家賃だけでなく、共有部分にかかわる費用である共益費や契約更新時に支払う更新料にも、同じように税金がかかります

 

礼金は貸主に対するお礼として支払われるもの。そのため、基本的に返金されないことから資産の譲渡などの対価とみなされます。ただし課税対象となる礼金は事業用目的のみです。

 

関連記事:賃貸オフィスの更新料とは?確認しておきたいポイント

 

税金がかかる対象②駐車場

駐車場は、目的が事業でも居住でも課税対象です。ただし、居住用で建物の1階部分が駐車場であるような場合には、住宅部分の一部と認められるため課税対象とはなりません。

 

マンションでも戸建てと同じく駐車場代は課税対象です。しかし家賃の中に駐車場代が含まれている場合、そして一戸につき1台以上駐車場が与えられており、利用の有無にかかわらず家賃が変動しない場合は非課税になります。

 

税金がかかる対象③住居兼事務所の事務所部分

住まいと事務所が同じである場合には、事業用の部分のみに税金がかかります。たとえば3階建ての一戸建てで1階を事務所として使用し上階を住宅にしている場合には、1階部分の賃料に消費税の支払いが必要です。

 

両者が明確に分かれていない場合で主に住居として使われていれば、多くの場合で非課税になるでしょう。ただしこれは貸主が住宅と事務所の兼用を認めており、居住用賃貸物件として契約している場合に限られます。

 

ちなみに、最初に住宅用として賃貸契約を結んでいるのに後から事業利用を始めることは契約違反です。契約解除や違約金支払いが発生する恐れがあるため注意しましょう。途中で使用用途が変わるのであれば、改めて貸主と契約を結び直す必要があります。

非課税

非課税となるものは「生活するうえで最低限必要なもの」と「基本的に返されるもの」です。

【非課税】

  • 敷金や保証金
  • 社宅や従業員寮など

税金がかからない対象①敷金や保証金

退去時に返金される敷金や保証金は、一時的に相手に預けるだけのもの。そのため税金はかかりません。ただし目的が事業の場合、退去時に返金されなければ課税対象となります。

 

税金がかからない対象②社宅や従業員寮など

社宅や従業員寮、会社が有料で従業員に住まいを提供する場合などは、目的が居住用であるため税金は免除されています。これは法人でも変わりません。

事務所の家賃には消費税がかかる! 税額も考慮して物件選びを

事業目的での賃貸物件には、不随するすべてのものに消費税がかかります。また、事業用の物件は多数の人が出入りすることが前提としてあるため、賃料も高くなりがち。そのため、事務所を契約するときには税金を含めた予算を立てておくことが大切です。

 

課税対象であれば、契約者が個人か法人かは無関係。事務所を借りようと考える方は、しっかり消費税分も考えておいてください。そうすることで事業のスタートをスムーズに進められるでしょう。

 

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