マンションを事務所利用する場合の注意点を5つ紹介
オフィスを借りる際、テナントが入っているオフィスビルを検討する方は多いでしょう。しかし、小規模な会社だとオフィスビルのテナントを借りるには賃料が高額で躊躇してしまう方もいるでしょう。
マンションをオフィスとして利用することが可能ですが、事務所として利用するにはいくつかの注意点があります。そこで本記事では、マンションを事務所として利用できる条件や5つの注意点について紹介します。
目次
マンションを事務所として利用できるケース
賃貸マンションの場合、契約で「賃貸借契約書」を取り交わします。その中に記載のある使用用途が「事務所可能」となっている場合は利用が可能です。
また、分譲マンションの場合は管理規約に、事務所利用の承諾がある場合は利用できます。ただし、事務所の利用可能でも登記ができない物件もあるため事前に確認が必要です。
関連記事:オフィスの賃貸借契約書とは?確認しておきたい記載事項を解説
マンションを事務所として利用できないケース
マンションを事務所として利用できないケースとは、上記に記載した「利用できるケース」の反対です。賃貸マンションの場合、「賃貸借契約書」に記載のある使用用途の項目で「居住のみ」を記載がある場合は、事務所として利用はできません。
賃貸マンションでは、暮らすことが目的なので使用用途の項目は居住のみと記載されていることが多いでしょう。なお、居住用であっても事務所として使用したい場合は、オーナーや管理会社に交渉をする必要があります。
仮に許可を取らず、マンションを事務所として使用した場合は契約違反となります。その場合、退去命令が出されたり、違約金を請求されたりする可能性もあるためおすすめしません。
一方で、分譲マンションの場合は管理規約を確認してください。事務所としての利用が認められていない場合、規約変更が必要となるため注意が必要です。
マンションを事務所として利用したい場合の注意点
マンションを事務所として利用するには、いくつかの注意点があります。賃貸借契約をした後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、これから説明する5つの注意点について確認しましょう。
注意点①居住専用か事務所利用が可能かを確認する
ほとんどのマンションは、居住用として貸し出されています。まれに、事務所利用が可能な物件もありますが、居住用と比べると少ないでしょう。なおマンションを事務所として利用する場合は、事前に事務所利用が可能な物件なのか確認する必要があります。
住居用のマンションを事務所として利用することは、法律で禁止された行為です。さらに、事務所として使用すると、建物内に出入りする人が増えるため、他の住人に迷惑をかける可能性があります。
なお、事務所利用が可能な物件であっても、職種によって入居できない場合もあります。マンションには専有で認められている区分と共用部分があります。共用部分を関係者が利用できるかは物件ごとに異なるのです。
事務所として物件の利用が可能であっても、共用部分は住人しか利用ができない場合、事業の種類によっては入居ができない可能性もあります。その理由として、さまざまな関係者が来訪することで防犯上のトラブルが増えやすくなる可能性があるためです。
注意点②事務所契約か住居契約のどちらで契約するか
マンションを契約する際、「事務所契約」か「住居契約」のどちらかを選択します。
事務所契約の場合、賃料に消費税が加算されます。通常、賃料には消費税が加算されますが、住宅用が特別非課税となっているのです。ちなみに、敷金や保証金などの預託金は非課税となります。
また、事務所契約の場合では、床や壁などの原状回復費用をすべて負担する必要があります。一方で住宅契約の場合では、故意に汚したものであれば原状回復の費用を負担しないといけませんが、長い期間賃貸契約をしていた場合など、経年劣化や自然損耗となり貸主負担となるのです。
注意点③オーナーが事務所利用を嫌がる可能性がある
マンションを経営している多くのオーナーは、事務所利用を拒否する傾向があります。拒否する理由として、他の住人とのトラブルを避けたいと考えているからです。
事務所利用が可能な物件でも、マンションには居住用として利用している人もいます。事務所で利用している多くの関係者が出入りするため、居住用の利用者に不安を与える可能性があります。
事務所で利用したからといって、必ず多くの関係者が出入りする訳ではありません。 しかしオーナーは、事務所で利用をすると、多くの関係者が出入りすることを懸念しており、事務所の利用についてリスクがあると判断するのです。
注意点④居住規約に抵触しないようにする
分譲マンションでは、住人が平穏に生活できるため管理組合があり、マンションのルールをまとめた管理規約が定められています。また管理規約には、事務所利用を禁止している内容が記載されていることも少なくありません。
もし管理規約を無視して、許可なく事務所利用をしてしまうと、管理規約違反に問われ退去を求められる可能性もあります。管理規約は法律に基づいて作成しているため従う義務があります。
しかし、事務所で利用していたことが見つかったとはいえ、すぐに退去を求められるとは限りません。明らかな被害や損害が生じていない場合では、管理組合も強く退去を求めることができないでしょう。
ただし、管理規約に違反していたとなると、そのまま使い続けるのは困難となるため、賃貸借契約をする前に管理規約を確認し、事務所利用が可能かどうかを確認する必要があります。
注意点⑤レンタルオフィスでの利用も視野に入れる
マンションを事務所として利用することは、利用できる物件が限られているため物件を探すのは困難です。そのため、マンションを事務所として使用することは一般的に難しいといえます。また、事務所利用が可能な物件であっても、オーナーの許可が下りなければ入居できません。
事務所として利用するための物件を探す場合は、「レンタルオフィス」と呼ばれる、事務所利用を前提として建設された物件を検討することをおすすめします。
レンタルオフィスでは、必要な機器や設備が整っており、気軽に入居することが可能です。一般的な賃貸のテナントより初期費用も抑えることができ、審査基準もあまり難しくありません。事務所を探している方はレンタルオフィスを視野に入れてみてください。
関連記事:レンタルオフィスと貸事務所って同じ意味?その違いとメリットをご紹介
マンションを事務所として利用するには事前に確認を!
今回は、マンションを事務所として利用できる条件や5つの注意点について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
マンションをオフィスにするには、事務所利用ができる物件を探す必要があります。また、同じマンションに居住している住民とトラブルにならないよう注意が必要です。事前にオーナーや管理会社に事務所利用が可能かどうか必ず確認しましょう。