賃貸オフィス空調の仕組み!種類と費用についても解説
賃貸オフィスの空調は、快適性を左右する大切なポイントです。そのため、賃貸のオフィス物件を契約する前に「どのような空調があるのか」見極める必要があります。
そこで本記事では。オフィスビルやテナントなどで設置されている空調システムの種類やメリット・デメリット、空調にかかる費用について説明します。
目次
オフィスの空調はどうなっている?
オフィスの空調には、セントラル空調と個別空調の2種類があります。ただし、新しいオフィスビルなどでは、セントラル空調と個別空調を組み合わせて使用するケースも増えています。
個別空調とセントラル空調の違いや特徴について説明しますが、一部の物件ではそれぞれの利点を最大限に活かす方法が採用されています。
空調技術は急速に進歩しており、最新のオフィスビルを訪れると、以前のように不満を感じることがなくなっているでしょう。
オフィスの空調管理の種類
オフィスにある空調は大きくわけて「セントラル空調」と「個別空調」の2種類があります。次の項目では、それぞれの特徴について確認していきましょう。
➀セントラル空調
セントラル空調は、「中央制御空調」または「中央システム空調」とも呼ばれ、広範な施設や建物で、すべての部屋の空調を一括で管理するシステムです。大規模な建物やビルでは、セントラル空調が一般的に導入されています。
セントラル空調では、空気を加熱または冷却して各テナントに送る方法、水を加熱または冷却して熱を運搬する方法、さらには水と空気を組み合わせて使用する方法などがあります。
セントラル空調のメリット
セントラル空調を採用しているテナント物件のメリットは、運用に手間がかからない点です。個別空調ではスイッチの消し忘れや使い過ぎなど、全ての運用とメンテナンスが管理者に委ねられます。
なお、セントラル空調は設定された「コアタイム」内での空調利用料金が共益費用に含まれている場合もあります。このようなケースでは、使い過ぎる心配をしなくても良いため安心です。
セントラル空調のデメリット
セントラル空調を採用しているテナント物件のデメリットは、自由に空調が調整できないことです。温度の調整や電源のオン・オフなど、個別の要望に合わせた空調の調整が難しい場合があり、丁度良い環境を確保するのが難しいこともあるでしょう。
また、セントラル空調を採用しているオフィスビルでは、共益費に空調費が含まれる場合もあります。しかし、契約によって追加費用が発生する場合もあるため注意が必要です。
就業時間がコアタイムだけという場合は問題ありませんが、不規則な就業時間や長時間労働が一般的な会社では、コアタイム外に追加費用がかかる可能性もあります。
②個別空調
「個別空調」とは、各フロアや部屋ごとに空調を調節できる設備を指します。
個別空調を採用した場合、各フロアや部屋にはそれぞれの空調システムのON/OFFスイッチが存在します。そのため、各テナントや店舗で温度の調節が必要であったり、時間帯が異なったりする建物の場合は、一般的に個別空調が採用されているケースが多いでしょう。
一般的な個別空調に、”ビル用マルチエアコン”があります。各テナント数に合わせて室内ユニットと室外ユニットが設置され、電源供給も各テナントごとに独立しており、オフィスビルでは通常、室内ユニットを天井に埋め込んで使用します。
個別空調のメリット
個別空調のメリットは、ビル内の各オフィスや事務室が必要な時に必要な温度設定で快適な空調を調整できることです。
サービス業の場合、お客様の快適さを第一に配慮しなければなりませんが、事務所では経費削減のために温度設定や使用時間を効果的に利用することが可能です。
個別空調のデメリット
個別空調は自分の好みに合わせて空調を自由に調整が可能です。ただし、計画的に使用しないとコストが予想以上に高くなることもあります。
実際、空調システムの温度を1度変更するだけでも、消費電力が約10%程度変化するため、使い方によって費用に大きな影響を与えるでしょう。
オフィスの空調に関わる費用について
オフィスの空調は、日ごろのメンテナンスが必要です。また、故障する可能性もあるでしょう。ここからは、空調に関わる費用について解説します。
関連記事:賃貸オフィスの光熱費はいくらかかる?相場と費用を抑えるコツ
日ごろのメンテナンス費
空調が設備の場合メンテナンスは、オーナーが全額負担することが法律により定められています。ただし、借主の過失や故意にて故障やクリーニングが必要になった場合は、借主の負担となるため注意してください。
故障時
空調設備が故障した場合、速やかに管理会社やオーナーに連絡をしましょう。基本的に空調の修繕費用はオーナーが全額負担することが一般的です。
オフィス空調に関してトラブルを避けるには
空調が「設備」ではなく「残置物」だった場合は、メンテナンスや修理など借主の負担となるため、設備が設備なのかどうか確認する必要があります。トラブルを避けるためにも、必ず契約書を熟読しておきましょう。
関連記事:オフィスの賃貸借契約書とは?確認しておきたい記載事項を解説
業務内容に合わせて空調システムを見極めましょう!
今回は、オフィスビルやテナントなどで設置されている空調システムの種類やメリット・デメリットについて説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
空調システムは、快適な環境で作業できるよう注意を払う必要があります。個別空調とセントラル空調のどちらを選択するかは、それぞれの特徴をふまえて見極めることが大切です。